2011年12月19日月曜日

試練

我が家は、高校三年生、高校二年生、
中学一年生の三人の男の子供を持つ家庭である。
月並みな言い訳だが、私は会社を経営している為、子供の出産の時も、私が酒を飲んでいる最中に、隣のご主人に立ち会って頂いたり子供の面倒は妻に任せっきりにしていた、典型的なヤクザな父親であった。
 
 今年は未曾有の震災もあり我々経営者には試練の一年であり、色々な事を深く考えさせられた一年でもあった。今も最後の追い込みで、来年につながるべく、様々な分野の再構築に取り組んでいる所である。

 そんな中、先日長男が胸が苦しいと言うので、近所の整形外科に一人で行かせたところ、すぐ両親を呼ぶ様に言われ、家内に行かせた所、すぐに紹介状を書くから国立病院に行く様にとの事。すぐに私も車で病院に向かい、家内と長男を乗せ国立病院に向かった。
 診察をしてもらうと、そのまま入院という事になり、医師から説明があった。
 肺気きょう?肺に穴があいて、潰れてしまい機能しなくなる病気の様だ。この病気は背が高く、胸板が薄い若い男の子に多い病気だそうで、遺伝などではなく、体質の問題だと言う。取り敢えず、肺に管を通して空気を抜いて様子をみて、手術をするか決める事になったが、数日後レントゲンを取ると、やはり手術が必要という事になった。入院は二週間位。すぐに手術の予定を決め、先生にお願いした。今年は長男の大学受験であり、正に志望校の合格に向けて勉強を頑張っている所であったが、命には変えられない、長男と覚悟を決めて手術に望んだ。学校の先生を始め、友達が心配して、お見舞いに来てくれた。感謝である。

 お陰様で全身麻酔の上、手術は成功した。翌日先生から呼ばれ説明を受けた。今度は反対の肺が悪くなり、手術が必要だと言う。しかし、若いとはいえ短期間に全身麻酔をして手術をすると言うのはリスクが高いとも言う。その夜、今までほとんど反抗期っていうものが無かった長男が、涙を流し暴れた。受験の不安と、手術の痛みの不安、大袈裟だが、命の不安が頭を駆け巡った様だ。まさに自分の人生は終わりだとも考えた様である。私と家内は黙ってそばにいたが、しばらくして、覚悟を決めた様に、いつかやらなくてはならないなら、すぐやる!といいだした。涙が込み上げてきた。長男が自分の腹に落とせた瞬間だった。翌日落ち着きを取り戻した長男を含め先生と相談して、受験が終わってから、手術を行う事で説得して、一時退院をして、回復を待っている。

 会でも掲げている人生の勉強をこの時期に経験する事になった長男であるが、これから、もっと沢山の試練が待っている我が人生!今年は家族全員で、ゆっくり、そしてしっかりと、語り合いまさに絆を深め、前向きに豊かな心で人生を歩める様に、家族全員で年を越えようと思っている。今回の長男の試練から、私もしっかりと学びたいと思う。我が家にこの素晴らしい試練を与えてくれた、神様にただ感謝したい。

                                     植野