2022年5月2日月曜日

知床半島沖観光船

 連日様々なニュースが報道されていますが、今一番気になるのは、知床沖の観光船沈没です。私も年に数回ですが船に乗るので状況が少しわかるだけに居た堪れない気持ちで連日ニュースやネットニュースを見て悲しみでいっぱいです。現地は水温が2度とか3度の海ですが、私は初夏から秋までの限定なのでさすがにこの寒さで船を出す事はありませんが、自分に置き換えた時に背筋がぞっとしました。マリンクラブの運営なので波が高い時は必ず出航停止にななりますが、ただ今回の様に一度マリーナを出てしまうと帰りに天候が急変しても自力で帰ってこなければならないのが船です。私も今まで2度か3度は座礁含めて怖い体験はあります。一番怖かったのは千葉の房総沖まで船を出したときに、行きは穏やかな波でしたが、午後になって天候が急変し、波が高く死ぬ思いで帰ってきた記憶が蘇ります。その時も10人程度乗っていてほぼ全員酔ってしまって、船長責任は当然あり、もし転覆したらどうしようとずっと頭に描きながら予定速度の倍以上スピードを落としなんとか無事に帰港しました。免許を取得して25年は経ちますが、毎回乗船する度に緊張感はピークになり、無事に帰ってくると安堵する、一歩間違うと今回のように大事故に繋がる危険と背中合わせの乗り物だと思います。飛行機も電車も車も事故は付き物で、事故にあうと死に繋がるような乗り物ですが、海の上はほんと怖いし、波が出てくると快適から恐怖に一転する乗り物です。

今回の事故で私が一番疑問に思うのが、会社の体制や社長の杜撰な管理はもちろんありますが、118の海上保安庁に連絡してから何故3時間も救助に行くのに時間がかかったかという点です。この水温ではもって30分前後とプロならわかっていたにも関わらず、海保の事情もあったと思いますが、単に準備不足で初動が遅れたものと思います。警察も消防車も救急車も10分~15分で到着してまずは人命救助をします。今は社長が単に叩かれ続け、海保の問題はクローズアップされてませんが、私は海保に大きな責任があると思います。人名救助の最後の砦で、ましてや海という過酷な地で狭い日本で3時間後の到着はあってはならない事と思います。 Yuji.H