お寿司割烹を営んでいる友人から、この時期に必ず連絡が入り、今年も恵方巻きどうですか?との電話がきます。
毎年の恒例で、親子4人分を購入しているのですが、今年の方位はとの質問に毎年戸惑っていましたが、今年は正確に教えてくれました。
そこで、今回は恵方巻きについて調べた内容をお話したいと思います。
節分といえば「鬼は外!福は内!」と言いながらの豆まきを思い出しますが、ひたすら無言で巻き寿司を食べる恵方巻きを取り入れる方が増えています。
「節分は子どものころから恵方巻きです」という方
「あれって冗談かと思ってました」という方
「???」という方
何かと謎の多い恵方巻きについてお話します。
■恵方巻き のルール
恵方巻きの特徴は何と言ってもその食べ方! まずはそのルールをご説明しましょう。
□1. 太巻きをひとりにつき1本準備する
福を巻き込むことから巻き寿司。縁を切らないよう包丁を入れずに丸ごと1本。七福神にあやかり7種類の具が入った太巻きが望ましい。
巻き寿司を鬼の金棒に見立て、それを退治する意味もあるらしい。
□2. 恵方を向く恵方とは、その年の幸福を司る歳徳神(としとくじん。年神様の別称)のいる方角のことで、その年の最も良いとされる方角です。
2014年の恵方は「東北東やや右」です。
□3. 願いごとをしながら、黙々と最後まで食べる
しゃべると運が逃げてしまうので、食べ終わるまでは絶対に口をきいてはいけません。
家族そろって同じ方向を向き、黙々と太巻きを食べる光景はなかなかお茶目? 真面目に最後まで成し遂げるのは結構大変です。
■呼び名もいろいろ
恵方巻きは、地域やお店によってさまざまな呼び名があるようです。
・恵方を向いて福を巻き込む巻き寿司を食べるから「恵方巻き」(また、豆まきの“まき”をもじっている)
・恵方を向いて食べる寿司なので「恵方寿司」
・丸かぶり(かじること)するから「丸かぶり寿司」
■仕掛けたのは誰? 恵方巻きの由来・ルーツ
恵方巻きの始まりの話が数多く存在しますが、それらの情報を時系列でまとめると次のようになります。
□大正初期……大阪の花街で、節分の時期にお新香を巻いた海苔巻きを恵方に向かって食べ、縁起を担いだ。
□1932年……大阪鮓商組合が「節分の日に丸かぶり ~この流行は古くから花柳界にもてはやされていました。
恵方に向いて無言で壱本の巻寿司を丸かぶりすれば其の年は幸運に恵まれる」と書いたチラシを配布。
当時のチラシが「本福寿司」(大阪中央区)に残っています。
□1973年頃……大阪海苔問屋協同組合が「節分の夜、恵方に向かって無言で家族そろって巻き寿司を丸かぶりすると必ず幸福が回ってくる…
と昔から言い伝えられています」と書いたチラシを、寿司屋に海苔を納める時に配った。
当時は大阪のデパートでも「2月3日 幸運巻き寿司売り出し」と宣伝販売されていたらしい。
□1977年……海苔業界による街頭イベント「海苔祭り」が大阪・道頓堀で開催され、「節分の丸かぶり」を取り入れた「巻き寿司早食い競争」が行われた。
これがマスコミに取り上げられて全国に知れ渡ったのをきっかけに、全国主要都市の「海苔祭り」でも宣伝されるようになる。
□1989年……広島のセブンイレブンが恵方巻きの販売開始。翌年より販売エリアが広がり、95年には関西以西の地区、98年には全国エリアで販売するようになる。
こうした流れに伴い宣伝活動も活発になり、さまざまなお店やメディアでも取り扱われるようになったため、恵方巻きの認知度も拡大しています。
ちなみに、コンビニエンスストア大手3社(セブンーイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン)だけで約600万本の恵方巻きを販売したそうで、
年々この需要が高まっていることから、前年度1割~3割増しの販売を予定しているそうです。3社とも予約販売は当たり前。
コンビニ以外のスーパーや寿司屋を入れると、その販売量は膨大な数になるでしょう。