ここは場末の不動産屋。いろんなお客様がいらっしゃいます。
(一人目のお客様)
ある日の日曜日、開店間もない時間にぱりっとした初老の男性がご来店。男性「いつもこのカウンターに居る、A子さんのことを私は知っています」
私「すいません。あいにくと○○社員は今日お休み頂いています」
男性「いいんです。今日は神のお告げがあったので来ました。A子さんにお伝え下さい」
私「はあ?」
男性「震災から5年経ちましたが、A子さんには慎重に生きるようお伝え下さい。それでは」
私「は・はいー???」
言い終わると足早に男性は立ち去りました。ただこの男性、A子さんの名前を旧姓で呼んでいましたので、知り合いには間違いなさそうです。勿論、本人には心当たりが有りません。
(二人目のお客様)
市民祭りある日、体格の良い60代位の女性がご来店。女性「この辺に良い物件有るの?」
私「賃貸ですか?売買ですか?」
女性「うーん、どっちでもいいわ。ちょっとトイレ借りるわね。飲み物はお茶でいいわ」
完全に冷やかしのお客様だとわかり、お茶を飲んでお帰り頂いた。ふと座っていたソファーに目をやると大きなシミが付いていた。「やられた!トイレ間に合わなかったのか!?」トイレも確認に行くとトイレットペーパーが全てなくなっていた。この一件から「祭りの日は注意しよう」が社内の合言葉に。
(三人目のお客様)
営業から帰ったある日、お店前の歩道に乱雑に自転車が置かれていた。店に入ると、白いジャージを着た一目でただ者ではない男性が営業のA君にすごんでいる。チン○ラ「おう!お前こっちは真剣に探してんのになめてんのか!」
これはまずいと思いA君からバトンタッチ。
私「お客様どうされました?」
チン○ラ「オレはな、遺産で6000万入ってくるんだ。金はあるんだ。ちゃんと部屋探してくれよ!な!」
隣には金髪の彼女と坊主の子分が座っています。
私「あのー、ご希望の条件は?」
チン○ラ「駅近、2LDK、5万円まで。出来れば築浅RC」
私「・・・。ございません!!」
余りにも条件が厳しかったので、即答でお帰り頂きました。
チン○ラ「んだよ。つかえねえな」と捨てゼリフを吐き、仲良く自転車で帰る姿をお見送りしました。6000万入ったらまたご来店下さいね。
さて、今日はどんなお客様がおいでになるか楽しみ、楽しみ(全て実話です)