「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」という本が流行っているそうです。
私はまだ読んでいませんが、内容紹介によると「21世紀の製造業は、アイデアとラップトップさえあれば誰もが自宅で始められる。ウェブの世界で起こったツールの民主化が、もの作りの世界でも始まったのだ」ということだそうです。
最近3Dプリンターというものが話題になっていてます。これは紙に絵や文字を印刷するプリンターとは違って、樹脂を何層にも塗り重ねながら、パソコンの中だけで設計した立体物を3次元で成型して出力してしまうプリンターです。一昔前であれば、SFのなかの夢物語であったようなものが既に実現しているということに驚きます。
今までの製造業は、莫大な投資をして生産設備を整えてするものでしたが、これからは安価なパソコンや3Dプリンターを駆使して誰もが始められるものになっていくのだそうです。
確かに、アイデアがあっても資金が無い為に事業が始められなかったような人びとも新たに事業を始められるようになれば、新しいイノベーションが起きるのかもしれません。
しかし、それはいいことばかりなのでしょうか?
本当にすばらしいアイデアがあって、何を措いてもそれを実現したいという決意があれば、人はどんな困難も乗り越えられるのではないかと私は思うのです。それをできない人に安易に道具を渡すことは、危険を孕むのではないかという心配を禁じ得ません。
製造業が身近になることは確かに素晴らしいことだとは思います。しかし、だからといって何でもありの世の中にするのではなく、しっかりと守るところは守り、特に我々商売人はお客様の利益を守ることに最大限配慮し、しっかりとしたビジネスを続けて行くことが大事なのではないかと思います。
もしかしたら粗製濫造になってしまいかねない世の中であればこそ、今まで以上に本物を見抜く目を養い、良いものだけを世の中に提供する、そんな決意を新たにしております。